2011年11月19日土曜日

シュバルツバルトの森を歩く

2011/11/03
シュバルツバルトの森を歩く
 ドイツの秋は早い。10月半ばから木の葉が色づきはじめ、今は黄葉真っ盛りである。ゲーテ・インスティツュートでは、毎週のようにエクスカーションが組まれてる。その中にシュバルツバルトの森へのトレッキング・ツアー(wandern)を見つけ、早速参加してみた。
 フライブルグの中央駅から電車とバスを乗り継ぎ、小一時間ほどで、近場の避暑地として知られるティティ湖(Titisee)へ出た。黄葉した木々が映り込むティティ湖を眺めながら、さらにバスに乗って30分ほど走ると、レンツキルヘ(Lenzkirch)に着いた。このあたりは、日帰りのトレッキングやハイキングの拠点になっているようで、案内所には様々なパンフレットが置かれている。ここを拠点にして、一行は出発した。
 ドイツ人はトレッキング好きだとは聞いていたが、とにかく一日で15キロから20キロ、ひたすら山道(Wanderweg)を歩く。今回は小川に沿って数キロ歩いた後、やや険しい山道を登り、なだらかな道を2時間ほど行くと、ランチ休憩となった。
 好天に恵まれて、多くの家族連れやグループとすれ違った。意外だったのは、20代、30代の若い人が多いこと。普段は学業やアルバイトで忙しくしているはずだが、休日は工夫して楽しんでいる様子。小川の横で休憩していると、次から次にグループが通り過ぎていった。土の色でやや濁った小川の流れを、しばらく眺めていた。ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』で、主人公が釣りに出かけた小川も、こんなものかと思った。舞台は確かシュワーベン州の田舎町。ここからもそう遠くない。
 ツアーの主催者は学生連盟であったこともあり、若い学生が多かった。ゲーテの語学学校からの参加者は意外に少なく、数名程度である。参加者の中でも、変わった顔ぶれだったのは、スペイン人でフライブルグ大学で半期授業を持っているという天文物理学者。何度か来日経験があるということで、「はじめまして」と日本語で声をかけられた。他には、情報工学のドイツの大学院生。英語が堪能で、アメリカに留学しロボット開発を夢見ていた。また、ドイツ文学を学んでいるイスラエル人留学生など。
 休憩からさらに5時間歩き、陽が傾いた頃、レンツキルヘ(Lenzkirch)に戻った。そこからバス・電車で乗り継いで、フライブルグへ戻った頃にはすでに真っ暗。そういえば10月末からは冬時間に切り替わったのだった。